21年前の今日のこと

21年前の今日

 
医療機関に就職して間もない私はちょうど事務当直の日で、
前日から、本館とは別棟の当直室のコタツにあたりながら眠り、朝を迎えようとしていました。
 
その時が来る直前、なぜかぼんやりと目がさめたのを覚えています。
 
小さな振動がグラグラとしばらく続いて、
古く少し汚れた天井から、砂埃のようなものがふわりと
上を向いて寝ていた私の上に降ってきたのです。
 
「震度3くらいか。震源は近いかもしれないけど、
このくらいの揺れならたいしたことないな…。」
鳥取県中部にいた私の、その時の感想でした。
 
朝の勤務開始時間に本館に戻り、
夜警さんと一緒にテレビをつけた私は
緊張で固まりました。
 
朝の揺れの震源鳥取県ではなく、淡路島だったのです。
 
錯綜する情報と、緊迫する報道の声。
それでも仕事はせねばならず、
胸騒ぎが続いたままその日の勤務を行ったのでした。
 
 
その後、大きな被害の状況が次々に入ってきて、
その度に強く胸を打たれ、痛めたのです。
 
数日後だったでしょうか。
神戸の大学に進学していた同郷の友人が
この震災で命を落としたことを知りました。
 
小学校、中学校で一緒だった彼とは、
口げんかくらいはしたことがありましたが
同級のみんな、とても仲良しでした。
 
彼が故郷に帰ってきて、参列した葬儀は
なにかぼーっとしていて、どんな様子だったのか、
今でもあまり思い出すことができません。
 
きっと夢の中のような、
全て、信じがたい気持ちだったからなのでしょう。
 
この悲しく、なんとも言えない気持ちを持たれた、家族、親戚、友人…
数えきれないほどたくさんの人たちが
この時いらっしゃったと思うと、
もう、とても私には言葉にすることができないのです。
 
それから21年の今日
 
空の上から見ている友人、他のたくさんのみなさんに、
私は、私たちは恥ずかしくない暮らしをしているでしょうか。
 
今を生きる私はもう一度身を引き締めるとともに、
今日、あらためて防災の意識を高める必要を強く感じ過ごしました。